●クルーズ中の作業
ナローボートには、1週間快適に過ごせるだけの十分な設備が整っていることは前にも書いた通りだが、そうはいっても、その小さなスペースにはおのずと限界がある。旅の途中、必ず行わなければならない"仕事"があるのである。

@朝の点検
毎朝点検しなければならないことが2つある。それは、後部エンジンルームにある「ウイード(草)・ハッチ」と呼ばれるフタを開けて、スクリューに草が絡まっていないかどうかチェックすること、そしてグリースの注入である。  

ウイード・ハッチのチェックで重要なのは、開けたハッチを元の通り閉めるとき、ハンドルのネジを最後まできつく締めることだ。そうしないと、スクリューで跳ね上げられた水がエンジン部に流れ込み、最悪の場合、沈没するおそれがある。

またグリースとは、スクリューシャフトから水が侵入しないように塗ってある油のことで、チューブ上のグリース容器に付けられたコックを右に1〜2回まわすことで、自動的にシャフトに塗られるようになっている。

A給水
キャビンに供給されている水は、ボートの底に設けられた水タンクに貯蔵されている。ここに蓄えられた水は、キッチンや洗面台、シャワー、トイレなどの水に使われているほか、ボートのバランスを取る役目もある。水が少なくなると、ボートの後方に水が偏り、船首が浮いてきて、コントロールがしづらくなる のだ。

水を補給は、ウォーターポイントと呼ばれる場所で行う。ウォーターポイントは、運河地図の上には蛇口のマークで記されている。給水する場合は、BWの鍵でふたを開け、ボートに備え付けのホースの一方ををつなぐ。ホースのもう一方は、ボートの給水口にいれる。給水口は、多くの場合船首にあり、スパナなどでキャップをあけると、水をいれる穴が出てくる。

そこまで終了したら、蛇口の栓を全開にして勢いよく水を注入する。旅の最初の給水では、ホースに古い水が残っていることがあるので、水を出してから数秒間は運河に捨ててしまったほうがいいだろう。

給水は、1日1回が基本。

Bゴミ捨て
ナローボートの旅では、料理で出るゴミをはじめとして、毎日結構な量のゴミが出る。ゴミは、運河地図のゴミ箱マークが示すゴミ捨て場に捨てる。プラスチック製の大きなゴミ箱が置いてあるので、その中に放りこめばいいだけだ。旅の恥はかき捨てても、ゴミだけはきちんと処理したいものだ。

C汚物処理
イギリスの運河では、汚物はボート内のタンクにためることになっている。そのタンクが一杯になってしまったら、バキュームで吸い出さなければならない。これをポンプアウトという。

ポンプアウトは、運河沿いのマリーナやボート会社でやってもうらうと10〜15ポンド。セルフタイプ(写真左)は、プリペイドカードやトークンを購入して、一定時間内機械が作動する仕組みだ。

ポンプアウトがどれだけ必要かは、人数、期間、トイレの数などによって異なる。たとえば4人で1週間の旅をするくらいなら、多分、必要ないだろう。また、同じ4人でも、トイレが1ヵ所のボートでは1週間に1回くらい必要かもしれないが、2ヵ所あるボートでは不要、ということもある。